「表には見えない、映像作品を作る為の誰かの仕事」
2023/11/24 by 新人AD田中
仕事中、この言葉をふと思い出しました。
「世界は誰かの仕事でできている。」
某コーヒーCMで有名になったキャッチコピーで、
コピーライターの梅田悟司さんによって生み出されました。
テレビ・映像業界では、出演者・制作スタッフ・技術スタッフ・編集マン…
たくさんの人々が協力し、1つの映像作品が完成します。
テレビで流れている、どんな映像でも色々な人の仕事で成り立っています。
じゃあ、その中でADは何をしているのか?
今回は「ロケ後にADがすること」をテーマに、
AD田中がロケ後の作業で、今週行ったことの2つをご紹介したいと思います。
① 出演者の言葉を全て文字に起こす!
1つ目にご紹介するのは、文字(コメント)起こしです。
これは意味通り、出演者の発言を文字に起こしてテキスト化するもので、
映像素材の時間に対して、約3~4倍程度の時間がかかります
(映像が1時間ならば、起こし作業は3~4時間程度)
実際の文字起こしのデータです↑
最近は音声を文字に変換するソフトなどが発達し、
時間を短縮することができますが、
数年前までは全て手打ちで1から行っていたのだなと思うと、ゾッとします…笑
② 素材を同じ時間軸に揃える!
2つ目は「段積み」という作業です。
ロケの現場では、複数台のカメラを使いさまざまな画角から撮影をしています。
これら複数の映像の時間軸を揃え、編集ソフト上に並べる作業が段積みです。
時間軸を揃えるというのは、
どの画角の映像でも同じタイミングの映像が流れるように揃える、ということです。
この同じタイミングというのは1秒のずれも許されません。
そのために、目印になる音を見つけそれぞれの映像を合わせていき、
全ての映像が同じタイミングに揃えば段積み完了です。
段積み後です↑
では、文字起こし・段積みは何の為に行うのか?
それはDさんが編集作業をスムーズに行うためです。
文字起こしを行うことでDさんが、収録時の発言を探す時や、
どこをカットしてどこを使うのかという、構成の大枠を考えることができます。
段積みを行うことで、Dさんがスムーズに編集を開始することができます。
文字起こしも段積みも、地味な作業ですが「映像を作るための誰かの仕事」です。
そしてその映像を見た「誰か」の生活が豊かになってくれれば、
仕事をしている意味があり、やりがいを感じることができます!!
色々な「誰か」の生活を豊かに彩ることができるような映像を作る為に、これからも日々精進していきます!